また今夜も、あのシーンを巻き戻してしまった
風呂から上がって、ドライヤーを切った瞬間。
あの沈黙が、頭の中で再生された。
「さっきの会議で、あんな言い方しなければよかった」
「先輩の顔が曇ったのは、きっと私のせいだ」
「私って、本当にいつもこうだ」
責めているのは「あのミス」じゃない。
気づけばもう、「ミスをした自分という存在」そのものを責めている。
その重さが、今夜もあなたの肩にのっかったまま、布団に入ろうとしている。
「また私が悪い」が口癖になっているあなたのこと
これは、意志が弱いわけでも、ネガティブ体質なわけでもない。
自分を責める癖は、子どもの頃に身につけた「先回り防衛」が大人になっても動き続けている状態だ。
誰かに怒られる前に、先に自分を責めておく。
そうすれば、外から傷つけられる前に「もう準備できてます」と心が構えられる。
かつてはそれが、あなたを守る方法だったのかもしれない。
「どうしてできないの」と言われ続けた環境で、先に自分を責めておくことで
これ以上傷つかないように、守ってきたのかもしれない。
でも今、その防衛がずっと作動したままになっている。
ミスをするたびに、自動的に「また私が悪い」が起動してしまう。
そしてその癖は、今夜もドライヤーを切った瞬間に、静かに動き出す。
今夜の布団の中で、ひとつだけ試してみてほしいこと
「自分を責めるのをやめよう」と思っても、それ自体が難しい。
だからまず、「責めることをやめる」のではなく、「責め方を変える」ところから始めてみてほしい。
今夜、布団に入ってからできることを、ここに書く。
- ✓「何があったか」と「それで私がどう感じたか」を切り離してみる
「先輩の顔が曇った(事実)」と「私が嫌われた(解釈)」は別物だ。布団の中で頭に浮かぶ出来事を、「事実だけ言うなら?」と絞ってみる。事実は意外と小さい。 - ✓「もっとうまくできたはず」を「今の私にできる精一杯だった」に言い替える
「できたはず」は過去の自分への幻想だ。あの瞬間のあなたには、あれが全力だった。「できたはず」を「やった」に戻してみてほしい。 - ✓責める言葉が出てきたら、後ろに「でも」をつけてみる
「また失敗した。でも、謝ろうとした」「空気読めなかった。でも、気づけた」。自分を責める文章に「でも」を足すだけで、一方的な裁判が少し止まる。 - ✓「誰かに言われたら許せるか」を逆に問いかけてみる
もし親しい友人が「会議でちょっと言い方がきつかったかも」と落ち込んでいたら、あなたは「あなたって本当にダメだね」と言うだろうか。言わないなら、今夜だけ自分にも同じ声かけをしてみていい。 - ✓「責めていることに気づいた」だけで、もう一歩進んでいる
「また責めてる」と気づけたことは、自動運転を手動に切り替えた瞬間だ。責めるのをやめられなくても、「あ、今責めてるな」と気づけたら、それだけで十分すぎる今夜の成果だ。 - ✓「今夜だけ、裁判を閉廷する」と宣言してみる
明日また考えてもいい。でも今夜はもう、あのシーンの再生を一時停止していい。「今夜の裁判は閉廷します」と、心の中で静かに言ってみてほしい。思った以上に、肩の力が抜ける。 - ✓布団の中で「今日、ちゃんと存在してたな」とだけ認める
できたことを探さなくていい。「今日も生きて、ここにいる」それだけで十分な夜がある。自分を責めたまま眠れない夜は、特に。
「責める癖をやめる」のは、ゆるくなることじゃない
「自分を責めなくなったら、反省しなくなる気がして怖い」
そう思う人がいる。
でも、反省と自責は別物だ。
反省は「次どうするか」を考えること。自責は「いかに自分がダメか」を繰り返すこと。
自責を繰り返しても、次の行動は生まれない。
心が削れるだけで、また同じ失敗をしやすくなる。
ドライヤーを切った後、あのシーンが再生されたとき。
今夜だけは、「また私が悪い」の次の一言を変えてみてほしい。
「また責めてるな。でも今夜の裁判は、ここで閉廷にしよう」
それだけでいい。
完璧に責めをやめなくていい。今夜一回、そっと止めてみるだけでいい。


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