また今夜も、誰かのInstagramを閉じられなかった
風呂上がり、ドライヤーを止めた静かな瞬間。
なんとなくスマホを開いて、気づいたら30分が過ぎていた。
大学時代の同期が昇進した投稿。
地元の友人が旅行に行っている写真。
何気ない誰かの「充実した日常」。
ひとつ見るたびに、自分の部屋が少し狭く感じられて、今の自分がどんどん「足りない存在」に見えてくる。
やめようと思っている。本当に思っている。
でも、指が止まらない。
この記事は、そういう夜を繰り返しているあなたに向けて書いた。
あなたが感じているのは「自分消耗」だ
比べることが止まらない状態を、ここでは「自分消耗」と呼ぶことにする。
これは意志が弱いとか、ネガティブな性格だとか、そういう話じゃない。
人間の脳は、自分の価値を「他者との差」で測ろうとするよう、長い時間をかけて作られてきた。
だから比べてしまうのは、ある意味でとても「正常」な反応だ。
ただ、問題がひとつある。
SNSが登場する前、人が比べられる相手は「半径数キロの知り合い」くらいだった。
でも今は、世界中の「うまくいっている瞬間だけ切り取られた人生」と、24時間比べ続けることができてしまう。
脳の比較機能は、こんな量の「比べ材料」を処理するようには設計されていない。
だから消耗する。だから夜に落ち込む。
それはあなたがおかしいんじゃなくて、今の環境がおかしいんだ。
もうひとつ、正直に言う。
比べることをやめようとするだけでは、たぶん止まらない。
「比べちゃダメ」と思えば思うほど、頭の中で比較が繰り返されることを、あなた自身がいちばんよく知っているはずだ。
必要なのは「やめようとする意志力」じゃなく、比べたくなる構造そのものを少しずつ変えていくこと。
今夜、布団の中で試してみてほしいこと
難しいことはひとつも書かない。今夜、このままの状態でできることだけ選んだ。
- 1「比べ相手」のスクリーンタイムを確認する
設定アプリを開いて、今日どのSNSを何分使ったか数字で見てみてほしい。感情論じゃなく、数字として見ると「そりゃ消耗するわ」と少し笑えることがある。責めるためじゃなく、自分に何が起きていたかを「事実」として知るために。 - 2「羨ましい」と声に出してみる
心の中で「いいな」と思ったとき、それを黙って押し込めようとするから苦しくなる。布団の中でこっそり「羨ましい」と声に出してみてほしい。声にした瞬間、その感情は「自分を責める刃」から「ただの感情」に変わりやすい。恥じなくていい。羨ましいと思うのは、それだけ本気で何かを望んでいる証拠だ。 - 3「何を証明しようとしていたか」を1行書く
スマホのメモでいい。今日誰かと比べたとき、本当は何を証明したかった?「自分はちゃんとやれている」「遅れていない」「価値がある」——そのどれかが出てくるはずだ。比較の奥には必ず「証明したい何か」がある。それを言葉にするだけで、比較の正体が少し見えてくる。 - 41年前の自分に「あのとき大変だったね」と言ってみる
「過去の自分と比べよう」というよくあるアドバイスとは少し違う。成長を確認するんじゃなくて、ただ昔の自分を労うだけでいい。あのとき不安だった自分、悩んでいた自分、それでも続けていた自分。その人に「大変だったね」と言えたとき、今の自分をも少し優しく見られるようになる。 - 5「見せていない自分」を3つ思い出す
相手のInstagramに映っていないものがあるように、あなたにも投稿していない日常がある。毎日ちゃんと起きていること、誰かのことを考えられること、疲れながらも続けていること。比較は「見えているもの同士」でしか行われないが、人間の価値は「見えていないところ」にもある。 - 6明日だけ、特定の1アカウントをミュートする
「SNSをやめよう」は続かない。でも「明日だけこの人をミュートする」はできる。ずっとじゃなくていい。1日だけ。その1日、胸がざわつかない時間がどれくらいあったか確かめてみてほしい。比べる癖は、比べる材料を減らすだけでも静かになっていく。
「足りない自分」を出発点にしなくていい
比べる癖をやめたいと思っているあなたは、たぶんずっと「足りない自分」を出発点にして走り続けてきた。
誰かより遅れているから頑張る。
誰かより劣っているから変わらなきゃいけない。
その原動力は確かに機能することがある。でも、ゴールのないレースで走り続けると、いつか足が止まる。
今夜ここで伝えたかったのは、ひとつだけだ。
比べることをやめようとする前に、「自分はすでに足りている」という感覚を少しだけ取り戻してほしい。
足りている、というのは「何も頑張らなくていい」という意味じゃない。
今夜この記事を最後まで読んだあなたは、それだけで「自分を変えたいと思っている人」だ。
その人は、誰かのSNSと比べる必要なんて、本当はどこにもない。


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