帰りの電車で、ぼんやりと「もう無理かも」と思っている夜
今日も仕事を終えて、電車の窓に映る自分の顔を見た。
特別にひどいことがあったわけじゃない。怒鳴られたわけでも、大失敗したわけでもない。
ただ、なんとなく「自分、この仕事向いてないんじゃないか」という感覚が、じわじわと育ってきている。
同僚は楽しそうに仕事している。先輩はテキパキ動いている。
自分だけが、毎日同じ場所で足踏みしている感じ。
そう思いながら、今夜もベッドに倒れ込んでいるあなたへ。
「向いてない」という感覚を、弱さのサインとして処理する前に、ちょっと待ってほしい。その感覚は、もっと別のことを教えようとしているかもしれない。
あなたが感じているのは「消耗の蓄積」ではなく、「ズレの通知」だ
仕事が向いていないと感じるとき、多くの人は「自分がダメだから」と結論を出そうとする。
でも実際に起きていることは、もう少し地味でシンプルだ。
自分の動き方と、今いる仕事の求める動き方がずれている。それだけのことだったりする。
たとえばこういう状態に、心当たりはないだろうか。
- ✓朝、目覚ましが鳴った瞬間に胃のあたりが重くなる
- ✓3ヶ月以上続けているのに「できた」という感覚がほぼない
- ✓同じミスをくり返してしまい、そのたびに「やっぱり自分はダメだ」になる
- ✓休日も「明後日から仕事だ」という重さが抜けない
- ✓頑張っているのに、手ごたえが積み重なってこない
- ✓「5年後もこの仕事をしている自分」が、まったく想像できない
3つ以上当てはまったなら、「向いていないかもしれない」という感覚は、あなたの甘えではなく、現実のサインだ。
ただし、ここで「じゃあ辞めよう」と急がないでほしい。
サインが出ているのは本当として、そのサインが指しているのが「この仕事」なのか「この環境」なのかを、先に分けて考える必要がある。
仕事そのものへの適性がないのか。それとも職場の空気、上司の指示の出し方、チームの雰囲気が合っていないだけなのか。
ここを混ぜたまま判断すると、転職しても同じ重さを次の職場に持ち込む。
「向いていない」と「環境が合わない」を今夜ひとつだけ分ける方法
難しいことはしなくていい。今夜、これだけ試してみてほしい。
- 1「嫌な理由」を紙に10個書く。「上司の指示が曖昧」「会議が多い」「ミスを怒鳴られる」など、思いつくまま全部。箇条書きでいい。きれいにまとめなくていい。
- 2書いた10個を眺めて、「会社を変えれば解決しそうなもの」と「会社を変えても変わらなさそうなもの」に分類する。前者が多ければ、「仕事」ではなく「環境」が問題の可能性が高い。
- 3「仕事の内容だけが問題」に残ったものを見て、「これは自分の動き方と根本的に合わないか」を問う。テキパキ動くことが求められるのに自分は丁寧さで動くタイプ、とか。スピードと深さのどちらが自分には自然か、という視点で見る。
- 4「かつて少しだけ手ごたえを感じた瞬間」を1回だけ思い出す。どんな仕事でも、1度くらいある。「この作業は自分に合う気がした」「誰かに感謝された」そのとき、何をしていたか。それが「自分の力が出やすい動き方」のヒントだ。
- 5「休日の夕方に、仕事とは無関係な何かに没頭できているか」を確認する。没頭できるなら、心にはまだ余力がある。没頭できない、何をしても「明日のことが頭をよぎる」なら、それは休めていない状態のサインで、判断力も落ちている可能性がある。今すぐ決断しないほうがいい。
このプロセスをたどると、「辞めるか続けるか」より先に、「自分にとって何が合っていて何が合っていないのか」が少しはっきりしてくる。
答えが出なくていい。今夜はただ、自分の感覚に「名前をつける作業」だけやる。それで十分だ。
「向いていない」と気づくのは、弱さじゃなくて正直さだ
多くの人は、「向いていない」と口にすることを怖がる。
「甘えだと思われる」「また逃げたと言われる」「もう少し頑張れば変わるかもしれない」。
そうやって自分の感覚を押し込め続けた結果、ある朝突然、体が先に動かなくなるケースをいくつも見てきた。
「向いていない」という感覚は、あなたを責めているのではない。
ただ、「今のやり方では力が出にくい」という事実を、正直に教えてくれているだけだ。
それに気づけているあなたは、鈍感じゃない。むしろ、自分の状態をちゃんと読もうとしている。


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