「また同じことで悩んでいる」と気づいた、あの夜
風呂から上がって、スウェットに着替えて、ベッドに座った瞬間。
またあの考えが頭をぐるぐるし始める。
「今の会社、あと何年続けられるんだろう」
「転職して失敗したら、もっとひどくなるんじゃないか」
どちらに転んでも損する気がして、結局また「もう少し様子を見よう」で眠れない夜が続いている。
そういう人に向けて書いた。
転職を勧めたいわけじゃない。続けることを勧めたいわけでもない。
ただ、「答え」より先に確認すべきことがある、という話をしたい。
あなたが感じているのは「選択疲れ」ではなく、「問いのズレ」だ
「転職すべきか、続けるべきか」
この問いをずっと頭の中で転がし続けているとしたら、答えが出ないのは意志の弱さでも情報が足りないからでもない。
問いそのものがズレているから、答えが永遠に出ない。
「転職 vs 続ける」は、本来「どちらの環境なら自分は機能できるか」という問いのはずなのに、いつのまにか「どちらが安全か」という問いに化けている。
安全を探している限り、どちらを選んでも不安は消えない。
転職先にも「もしかしたら合わないかも」という不安は付いてくるし、
現職に残れば「このままでいいのか」という不安が居座り続ける。
だから今夜確認してほしいのは、「転職か否か」ではなく、「自分が今どんな消耗をしているか」だ。
消耗のタイプによって、取るべき行動がまるで変わってくる。
今夜、答えより先に確認してほしい5つのこと
- 1「不満の源泉」が、自分で変えられる場所にあるか確認する
上司の態度、仕事量、評価制度——これらは同じ「不満」でも、自分が手を伸ばせる範囲が違う。
たとえば、上司が来月異動すると分かっているなら、それは「今だけの問題」かもしれない。でも会社の評価制度そのものに不満があるなら、それはどの部署に移っても変わらない。
「何が嫌か」ではなく「それは自分の力で変えられる場所にあるか」を今夜紙に書いてみてほしい。 - 2「慣れた」のか「麻痺した」のかを区別する
毎朝、会社の最寄り駅のホームに立ったとき、足が重くなっていないか。
「最近は気にならなくなった」という感覚が、本当の意味で慣れた(適応できた)のか、単に感じないようにしてきただけなのか——この2つは外から見ると同じだが、中身はまるで逆だ。
休日の夜9時に、翌日のことを考えると気分が沈むなら、慣れではなく麻痺の可能性が高い。 - 3「1年後の自分」ではなく「3年後の先輩」を見る
今の職場で、3〜5年上の先輩を一人思い浮かべてほしい。
その人の働き方、表情、プライベートの話——「自分もそうなりたい」と思えるか。
憧れとは言えないが、特別嫌でもないという場合は「今のまま」の延長線上を生きることになる。それが許容できるかどうかが、一つの判断材料になる。 - 4「転職後の理想」ではなく「転職後の月曜日の朝」を想像する
転職を考えるとき、多くの人は「理想の職場」を思い描く。でもそれは幻になりやすい。
代わりに「転職後の、月曜日の朝7時、目覚ましが鳴った瞬間の自分」を想像してみてほしい。
どんな会社でも、月曜の朝はやってくる。その朝に「行きたい」ではなく「行けそう」と思えるイメージが描けるかどうかが、意外と正直な指標になる。 - 5「今動けない理由」が恐れか、本当の事情かを分ける
「子供がいるから」「ローンがあるから」「今の時期は忙しいから」——こういった理由は本当の制約の場合もあるが、恐れを正当化するための「もっともな理由」として使われている場合もある。
「この制約がなかったとしても、私は動かないか?」と一度だけ自分に聞いてみてほしい。正直に答えてくれる。
「転職か否か」に答えは出なくていい。今夜は別の問いを立てる
今夜すぐに答えを出さなくていい。
この記事を読んで気づいてほしかったのはただ一つ——
「転職すべきか」という問いは、今のあなたには少し大きすぎる。
最初に確認すべきは、自分が「どんな消耗をしているか」であり、
「その消耗は、今の場所で回復できるのか、それとも場所ごと変えないと回復できないのか」だ。
ベッドに座って、また堂々巡りが始まりそうな夜は——
「転職か否か」という問いをいったん脇に置いて、今夜確認した5つのことを一つだけ、手帳か紙の端にでも書いてみてほしい。
「先輩の顔を見て、正直どう思ったか」でいい。
一行でいい。
その一行が、どんな転職サイトの診断よりも正直に、あなたの状態を教えてくれる。


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