毎月の給料日だけが安心できる日になっている、という状態がある。
会社が傾いたら、リストラされたら、という不安は頭では理解しているのに、具体的に何から手をつければいいのかわからない。そのまま数年が過ぎる。
「会社に依存したくない」という気持ちは正しい危機感だが、動き出せない理由は別のところにある。
こんな人向け:副業や投資に興味はあるが何から始めればいいかわからず、とりあえず今の仕事を続けている人。
「収入源を増やす」より先に確認すること
多くの人は「会社依存から抜け出す=副業か投資を始める」と考える。
しかし実際に動けない理由の多くは、お金の知識や時間の問題ではなく、自分の収入と支出の実態を把握していないことにある。
毎月いくら使っているか、固定費はいくらか、会社が突然なくなったとき何ヶ月もつか。この3つを即答できない状態で「収入源を増やそう」と動いても、何に向かって動いているのかが定まらない。
土台を確認しないまま別の収入を積み上げようとすると、焦りだけが増えて続かない。まず手をつけるのはここだ。
会社への依存度が高くなる3つのパターン
① 収入がそのまま生活費に消えている
給料が入ると同時に家賃・保険・ローン・食費で大半がなくなり、手元に残るものが少ない。
この状態では、会社を辞めた翌月から即座に生活が立ち行かなくなる。リスクへの耐性がゼロに近い。
② 「会社の看板」込みで仕事が成り立っている
取引先との関係・社内のシステム・会社の信用があって初めて自分の仕事が動いている、という状態がある。
会社を離れたとき、自分一人で再現できる仕事がどれくらいあるか。これを考えると、依存度の高さがわかりやすく見えてくる。
③ 「いざとなれば転職できる」という根拠が曖昧
「会社が危なくなったら転職すればいい」と思っているが、職務経歴書をすぐ出せる状態にはなっていない。面接を受けたこともここ数年ない。
転職は保険として機能するが、動いていない間は保険料を払っていないのと同じ状態だ。
リスクを減らす順番の考え方
副業・投資・転職活動、どれが正解かではなく、「今の自分にとって穴が大きい部分はどこか」を先に特定する必要がある。
たとえば固定費が収入の8割を超えている人が副業を始めても、副業収入が安定するまでの数ヶ月〜数年を乗り越える余裕がない。先に固定費を見直す方が、同じ時間で得られる安定感は大きい。
一方、貯金は十分あるが市場価値がわからない人は、転職活動の情報収集から動くことで「辞めても大丈夫かどうか」の実感値が変わる。
「何をすべきか」は人によって違う。先に自分のどこが一番もろいかを確認する、という順番だ。
動き出す前に決めておく判断基準
「何かしなければ」という気持ちだけで動くと、途中で迷子になる。以下の問いに対して、自分なりの答えを持っておくとよい。
- ✓今の会社がなくなった場合、何ヶ月間は生活を維持できるか
- ✓自分の仕事で、会社の外でも通用しそうなスキルは何か
- ✓月にあと何時間、別のことに使える余白があるか
- ✓「会社に依存していない」と感じられる状態は、具体的にどんな状態か
最後の問いが一番重要だ。「依存したくない」という気持ちはあっても、「どうなれば安心か」が言葉になっていないと、何をやっても不安は消えない。
ゴールが「不安を消すこと」になっていると、どこまで動いても終わりがない。先に「この状態になれば十分」という線を決める。
焦って動くより先にやること
「早く動かないと」という感覚が強いほど、実際には手が止まりやすい。
副業・投資・転職活動のどれも、始める前の準備段階でつまずく人が多い。情報を集めすぎて疲れる、選択肢が多すぎて決められない、というパターンだ。
今すぐできることは一つだけに絞るとよい。たとえば今月の支出を書き出すだけでいい。それだけで「自分の現在地」が見える。現在地がわかると、次の一手も自然と絞られる。
今週確認するのは一つだけ決めておく。「自分は今月いくら使っているか」「会社がなくなったら何ヶ月もつか」、どちらか答えられない方から先に手をつける。


コメント